内部障害リハビリテーションのすすめ

理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士です。心電図検定3級。内部障害を理解し臨床で活かす為のブログ。

呼吸困難感の種類

yuki736.hatenablog.com

こちらで紹介した呼吸困難感について、もう一歩踏み込んでみます。

 

患者さんの呼吸困難感の感じ方は様々です。「吸いづらい」「空気が足りない」など患者さんによって表現の仕方が違います。感じ方によってある程度原因が予測できます。

化学受容器が関与する呼吸困難では、「空気が足りない」「息苦しい」「吸わないといられない」など空気飢餓感をうかがわせる表現で説明される。

運動皮質が関与する呼吸困難では「大きな呼吸をする必要がある」「努力して呼吸をする必要がある」など努力感をうかがわせる表現で説明される。

呼吸関連効果器からのフィードバックが関与する呼吸困難では「吸えない」「肺が硬くて吸いにくい」など吸気不足感・圧迫感などをうかがわせる表現で説明される。

(小川浩正)

 

呼吸困難感 - 内部障害リハビリテーションのすすめでも説明した通り、呼吸困難のメカニズムは複雑です。しかし、その原因に対する介入をすることで効果的なリハビリテーションが提供できます。そのために、患者さんの訴えに耳を傾けてください。どんな動作をしたときに、どんな呼吸困難感を感じるのか。また、その時のバイタルサインの変化も評価する必要があります。血圧、経皮的酸素飽和度、呼吸数、心拍数(脈拍数)を評価します。その他、表情、会話が可能か、チアノーゼの有無、呼吸補助筋の活動、呼吸パターンの変化等フィジカルアセスメントを徹底して行ないます。そうすると、患者さんが感じている呼吸困難感の原因を推測し、適切な治療が実施できるはずです。また、適切なADL動作指導ができるはずです。

大切なのは患者さんの訴えを聞くことです。

 

それでは。