A-aDO2
A-aDO2は、肺胞気-動脈血酸素分圧較差といい、酸素化能障害の指標となります。正常値は 20Torr以下であり、それより大きくなってくると酸素化能障害が起きているという事になります。注意すべき点は、A-aDO2はFIO2に依存して変化するということです。特に、FIO2が20%から40%までの間では急峻に変化するので解釈に注意を要します。
第21回3学会合同呼吸療法認定士 認定講習会テキストより
そこで、FIO2 が21%以上の場合には酸素化指数(PaO2/FIO2)によって肺内ガス交換障害の程度を評価することが推奨されています。
A-aDO2の計算
A-aDO2=PAO2-PaO2
PAO2=FiO2(760-47)-Paco2/0.8
つまり、A-aDO2=150-PaCO2/0.8-PaO2
酸素吸入下では
A-aDO2=713×FiO2-PaCO2/0.8-PaO2
A-aDO2が大きくなる病態
1:換気血流不均等
2:拡散障害
3:シャント
私の職場ではABG検査の際、酸素投与していてもFiO2が規定されずに検査されてしまうことがあり、正確なA-aDO2を知りたい時に自分で計算しています。また、酸素化指数(PaO2/FIO2)も自分で計算して病態を理解しています。
ちなみにPaO2/FIO2は400mmHg以上が正常、300を下回るとPaO2は60mmHg以下であることを意味し、呼吸不全状態と診断できます(理学療法士その他コメディカルは「診断」はできませんので注意)。
それでは。